
なんだかお洒落で美味しそうだけど、どうやって食べたらいいのか分からなくて、いつも迷っちゃうんです…。

でも心配ご無用!
スティックセニョールは、一度知れば驚くほど簡単で美味しい、最高の野菜なんだ。
この記事で、君も今日からスティックセニョールマスターだ!
スーパーの野菜売り場で、ふと見慣れない野菜に目が留まること、ありませんか?
「なんだかお洒落で美味しそうだけど、どうやって食べたらいいんだろう…?」なんて、買うのをためらってしまった経験、一度はあるかもしれません。
最近、そんな私たちの好奇心をくすぐる野菜として注目を集めているのが「スティックセニョール」です。
ブロッコリーをすらっとスタイリッシュにしたような見た目と、なんだか可愛らしい名前。
でも、この野菜の本当の魅力は、見た目だけじゃないんです。
驚くほど調理が簡単で、味わいはびっくりするほど甘い。
一度その美味しさを知ってしまえば、きっとあなたの食卓の常連になるはずです。

この記事では、そんなスティックセニョールの魅力を余すところなくお伝えする、まさに「完全ガイド」です。
「ブロッコリーと何が違うの?」という基本的な疑問から、美味しさを最大限に引き出す茹で方、毎日のごはん作りに役立つ簡単な絶品レシピ、さらには「私にもできるかも!」と思える家庭菜園での育て方まで、スティックセニョールに関するすべてを網羅しました。
この記事を読み終える頃には、あなたもスティックセニョールの虜になっていること間違いなしです。
この記事のポイント
- アスパラガスのような甘い茎と、柔らかい蕾の美味しさを知れる
- 最高の風味と食感を引き出す、シンプルな下処理と茹で方がマスターできる
- どんな食事にも合う、簡単で美味しいレシピのバリエーションが広がる
- 初心者でも大丈夫!自宅でスティックセニョールを育てる方法がわかる
毎日の食卓が華やぐ!スティックセニョールの美味しい食べ方
まずは、スティックセニョールを買ってきてから食卓に並ぶまで、その「美味しい食べ方」に焦点を当てて、あらゆる角度から徹底的に解説していきます。
これを読めば、もうスティックセニョールの前で迷うことはありません!
そもそもスティックセニョールってどんな野菜?
スティックセニョールって、名前からして海外の野菜だと思っていました!
スティックセニョールという、ちょっと異国情緒あふれる名前から、海外生まれの野菜だと思っている方も多いかもしれません。
しかし、実はこの野菜、日本で生まれた純国産の野菜なんです。
スティックセニョールは、私たちにおなじみの「ブロッコリー」と、「カイラン(芥藍)」という中国野菜を掛け合わせて誕生しました。
開発したのは、日本の大手種苗会社である「サカタのタネ」で、1991年に品種登録が出願された、比較的新しい野菜です。
面白いことに、開発当初の日本ではあまり人気が出ませんでした。
ところが、アメリカに輸出されると「ブロッコリーニ」という名前で大ヒット!
その人気が日本に逆輸入される形で広まり、今では私たちの食卓でも見かけるようになったという、ユニークな経歴を持っています。
ちなみに、「スティックセニョール」という名前の由来ですが、「スティック」はその名の通り、収穫されるときの棒状の形から来ています。
では「セニョール」は?というと、実はこれには特に深い意味はなく、語呂が良くて明るいイメージから名付けられたそうです。
なんだか親しみが湧きますね。
スーパーなどでは、「茎ブロッコリー」という名前で売られていることも多いので、ぜひ覚えておいてください。
ブロッコリーとの違いは何ですか?
見た目は細長いブロッコリーだけど、味も同じなの?
実は、スティックセニョールとブロッコリーは、見た目以上に味や食感、そして調理法が大きく異なります。
最大の違いは、ブロッコリーの硬い茎とは違い、スティックセニョールは甘くて柔らかい「茎」こそが主役である点です。
具体的な違いを、表で比較してみましょう。
| 特徴 | スティックセニョール | ブロッコリー |
|---|---|---|
| 見た目 | 小さな蕾と、すらりと長い茎が特徴 | 太い一本の茎の上に、大きな蕾が密集している |
| 味 | 全体的に甘みが強く、クセがない。 特に茎はアスパラガスに似た風味がある |
野菜らしい風味。 品種や時期によっては少し苦みを感じることも |
| 食感 | 茎はシャキッとした歯ごたえがありつつ柔らかく、蕾もソフト | 蕾はしっかりとした歯ごたえ。 茎は繊維質で硬め |
| 食べられる部分 | 蕾、茎、葉まで、ほぼすべてが美味しく食べられる | 主に蕾を食べる。 茎も食べられるが、皮をむく必要がある |
| 下処理 | 基本的に洗うだけでOK。 皮むきは不要 |
蕾を小房に分け、茎の硬い皮をむく手間がかかる |
| 調理時間 | 細長い形状のため、火の通りが非常に速い | 茎や芯の部分は火が通るのに時間がかかる |
このように、スティックセニョールは「ブロッコリーのいいとこ取りをして、さらに手軽にした野菜」と言えるかもしれません。
特に、皮をむかずに全部食べられる手軽さと、ゴミがほとんど出ない点は、忙しい毎日を送る私たちにとって、とても嬉しいポイントですよね。
栄養満点!スティックセニョールの嬉しい効能とは?
美味しいだけじゃなくて、体にも良いの?
スティックセニョールは、その美味しさだけでなく、栄養価の高さも大きな魅力です。
実は、スティックセニョールはまだ新しい野菜のため、食品の栄養成分を定めた国の公式なデータベース「日本食品標準成分表」には、独立した項目がまだありません。
しかし、多くの専門情報で、その栄養成分は親であるブロッコリーとほぼ同じであると確認されています。
つまり、野菜の中でもトップクラスの栄養価を誇るブロッコリーの素晴らしい健康効果を、スティックセニョールからも期待できるのです。
具体的にどのような栄養素が含まれ、どんな嬉しい効果が期待できるのか見ていきましょう。
| 栄養素 | 期待される主な働き・効能 |
|---|---|
| ビタミンC | 美肌作り(コラーゲン生成)や免疫力アップに不可欠。 その量はなんとレモン以上とも言われます。 |
| β-カロテン | 体内でビタミンAに変換され、目や皮膚の健康を維持し、強力な抗酸化作用で体を守ります。 |
| ビタミンK | 正常な血液凝固に働き、骨の健康維持にも役立つビタミンです。 |
| 葉酸 | 細胞の生まれ変わりを助ける重要なビタミンB群の一種。 特に妊娠を計画している女性には不可欠です。 |
| カリウム | 体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出するのを助け、血圧の安定に貢献します。 |
| 食物繊維 | お腹の調子を整え、腸内環境の改善をサポートしてくれます。 |
| スルフォラファン | アブラナ科野菜特有の成分。 体の解毒作用や抗酸化作用を高め、がん予防効果も研究されています。 |
| たんぱく質 | 野菜としては珍しく、たんぱく質が豊富。 健康的な体づくりを目指す方にもおすすめです。 |
こんなにもたくさんの栄養が、あの細い一本にぎゅっと詰まっているなんて驚きですよね。
美味しくて手軽なだけでなく、私たちのキレイと元気を力強くサポートしてくれる、まさにスーパーフードと言えるでしょう。
茎も葉もOK!スティックセニョールはどこまで食べられる?
スティックセニョールって、どこまで食べられるんですか?
この質問に対する答えは、とてもシンプルで嬉しいものです。
答えは、「ぜんぶ食べられます!」。
てっぺんの柔らかい蕾(花蕾)から、甘くて美味しい茎、そしてその茎についている小さな葉っぱまで、捨てるところがほとんどないのです。
これは、スティックセニョールが「ゼロウェイスト(食品ロスゼロ)」な野菜であることを意味します。
ブロッコリーだと硬い根元部分を捨ててしまうこともありますが、スティックセニョールなら買った分をまるごといただけます。
環境に優しいだけでなく、お財布にも優しい、とても賢い選択ですね。
すべての部分が食べられますが、それぞれの部位に合った食べ方をすると、さらに美味しさが引き立ちます。
- 蕾(花蕾)の部分
一番柔らかい部分です。
さっと茹でてサラダにしたり、和え物にしたりすると、その繊細な食感と甘みを楽しめます。 - 茎の部分
この野菜の主役です。
アスパラガスのような甘みと、シャキシャキとした心地よい歯ごたえがたまりません。
炒め物やグリル、肉巻きなどにすると、その魅力が最大限に発揮されます。 - 葉の部分
クセや苦みがなく、美味しく食べられます。
火が通りやすいので、茎と一緒に炒め物やスープに入れるだけでOKです。
これからは、何も考えずに根元までザクザク切って、まるごと料理に使ってくださいね。
美味しさを引き出す基本の茹で方と下処理

この茹で方をマスターすれば、スティックセニョールの美味しさが格段にアップするぞ!
スティックセニョールの美味しさを最大限に引き出すには、実は「茹で方」にちょっとしたコツがあります。
と言っても、まったく難しくありません。
ポイントは、食感の違う「茎」と「蕾」に時間差をつけること。
これだけで、茎は柔らかく、蕾はべちゃっとせずに、最高の食感に仕上がります。
【永久保存版】スティックセニョールの基本の茹で方
- 下準備をする
スティックセニョールをさっと水で洗います。
皮をむく必要は一切ありません。
もし長すぎる場合は、扱いやすいように半分に切っておくと良いでしょう。 - お湯を沸かす
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、塩を少々(お湯1リットルに対して小さじ1杯程度)加えます。
塩を入れることで、緑色がより鮮やかに仕上がります。 - 【重要】茎から茹でる
沸騰したお湯に、スティックセニョールの蕾の部分を持って、まず「茎」の部分だけを入れます。
この状態で、1分〜2分ほど先に茎を茹でます。 - 全体を茹でる
茎に少し火が通ったら、全体をお湯に沈め、蕾の部分も一緒にさらに30秒〜1分ほど茹でます。
全体の茹で時間は、合計で2分〜3分が目安です。 - ザルにあげて冷ます
茹で上がったら、すぐにザルにあげます。
ここで大切なのは、冷水に取らないこと。
冷水にさらすと水っぽくなり、せっかくの甘みや風味が抜けてしまいます。
ザルに広げて、うちわなどで扇ぎながら冷ます(丘あげ)と、余熱でちょうど良い硬さになり、味が凝縮されます。
このひと手間だけで、いつものスティックセニョールが、まるでお店の付け合わせのような、ワンランク上の味わいになりますよ。
初心者でも簡単!スティックセニョール人気レシピ【炒め物編】
スティックセニョールの甘みとシャキッとした食感は、炒め物との相性が抜群です。
さっと作れて風味豊かな、人気の炒め物レシピをご紹介します。
レシピ1:定番の美味しさ「ガーリックバター醤油ソテー」
これはもう、間違いのない組み合わせです。
フライパンにバター(またはオリーブオイル)とにんにくスライスを入れて熱し、香りが出たらスティックセニョールを加えて炒めます。
鮮やかな緑色になったら、最後に醤油をジュッと回しかければ完成。
お弁当のおかずにもぴったりです。
レシピ2:ごはんが進む「豚肉とスティックセニョールのオイスター炒め」
メインディッシュになる、食べ応えのある一品です。
薄切り豚肉(牛肉でもOK)に片栗粉をまぶして炒め、一度取り出します。
同じフライパンでスティックセニョールを炒め、火が通ったら肉を戻し入れ、オイスターソースベースのタレを絡めます。
お肉に片栗粉をまぶしておくのが、柔らかく仕上げるプロのコツです。
レシピ3:子どもも喜ぶ「ベーコンとスティックセニョールの炒め物」
ベーコンの旨味をスティックセニョールが吸って、たまらない美味しさに。
フライパンでベーコンをカリッと炒め、出てきた油でスティックセニョールを炒めるだけ。
味付けは塩こしょう少々で十分です。
彩りも良く、食卓がパッと華やぎます。
あと一品に便利!スティックセニョール人気レシピ【和え物・サラダ編】

茹でておくだけで、こんなにたくさんのアレンジができるんですね。
生ハム巻きはすぐできそうだし、おもてなしにもぴったりですね!
基本の茹で方をマスターすれば、あとは和えるだけ、混ぜるだけで作れる副菜のレパートリーが一気に広がります。
「食卓にもう一品欲しいな」という時に大活躍するレシピです。
レシピ1:和食の定番「スティックセニョールのごま和え」
茹でて冷ましたスティックセニョールを、すりごま、醤油、砂糖を混ぜた和え衣で和えるだけ。
ほうれん草の代わりに使うと、水っぽくならず、茎の食感が良いアクセントになります。
レシピ2:お洒落な前菜「生ハム巻き」
茹でて冷ましたスティックセニョールに、生ハムをくるっと巻きつけるだけ。
たったこれだけで、おもてなしにも使えるお洒落な一品が完成します。
スティックセニョールの甘みと生ハムの塩気が絶妙にマッチします。
レシピ3:クリーミーで美味しい「ツナマヨ和え」
茹でて食べやすく切ったスティックセニョールを、ツナ缶とマヨネーズ、塩こしょうで和えます。
ブロッコリーで作るよりも食感が良く、子どもにも大人気の鉄板メニューです。
レシピ4:爽やかな「カレーマリネ」
オリーブオイル、お酢、カレー粉、塩、砂糖少々を混ぜてマリネ液を作ります。
茹でたスティックセニョールを熱いうちに漬け込み、30分以上置けば完成。
作り置きもできる、便利な常備菜になります。
食卓の主役に!スティックセニョール人気レシピ【その他編】
スティックセニョールは、副菜だけの野菜ではありません。
その存在感ある味わいと食感は、パスタやスープ、焼き物など、様々な料理の主役にもなれるんです。
レシピ1:簡単本格パスタ「ペペロンチーノ」
にんにくと唐辛子のシンプルなオイルパスタに、スティックセニョールを加えるだけで、彩りも栄養も格段にアップします。
ポイントは、パスタの茹で汁を少しソースに加えること。
スティックセニョールの旨味も溶け出した茹で汁が、ソースとオイルを繋いでくれます。
レシピ2:具沢山スープ「ミルクスープ or 味噌汁」
鶏肉やシーフードと一緒にクリーミーなミルクスープの具材にすれば、心も体も温まる一品に。
意外な組み合わせですが、豆腐や厚揚げと一緒に味噌汁の具にするのもおすすめです。
スティックセニョールの甘みが、味噌の風味とよく合います。
レシピ3:お弁当にも◎「スティックセニョールの肉巻き」
生のスティックセニョールに豚バラ肉を巻きつけ、フライパンで転がしながら焼き、甘辛いタレを絡めます。
茎のシャキシャキ感とお肉のジューシーさが同時に楽しめ、冷めても美味しいのでお弁当にぴったりです。
レシピ4:とろーり美味しい「チーズ焼き」
茹でたスティックセニョールを耐熱皿に並べ、ピザ用チーズをたっぷり乗せて、オーブントースターで焼き色がつくまで焼くだけ。
シンプルながら、誰もが大好きなごちそうです。
家庭菜園に挑戦!スティックセニョールの育て方から収穫までの食べ方

スティックセニョールは家庭菜園にもってこいの野菜なんだぞ。
自分で育てた採れたての味は、感動ものだ!
スティックセニョールの魅力にハマったら、次はいよいよ「自分で育ててみる」というステップに進んでみませんか?
「家庭菜園なんて難しそう…」と思うかもしれませんが、スティックセニョールは初心者でも育てやすく、プランターでも十分に楽しめる野菜なんです。
自分で育てた野菜の味は、格別ですよ。
種と苗、どちらから始める?栽培の基本
スティックセニョールは、種からでも苗からでも育て始めることができます。
家庭菜園が初めての方や、手軽に成功させたい方には、園芸店などで売られている「苗」から始めるのが断然おすすめです。
もちろん、種からじっくり育てるのも、成長の過程が見られてとても楽しいですよ。
種から育てる場合
一般的に、種をまく時期は年に2回あります。
春まき(2月~3月頃)と、夏まき(7月~8月頃)です。
育苗ポットに種を2~3粒まき、土を薄くかぶせて、発芽するまで乾かさないように管理します。
本葉が数枚出てきたら、一番元気なものを残して間引きします。
苗から育てる場合
良い苗を選ぶことが、成功への近道です。
お店で苗を選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。
- 茎が太く、がっしりしているか
- 葉の色が濃い緑色で、黄色くなっていないか
- 虫食いや病気の跡がないか
ひょろひょろと伸びておらず、ずんぐりむっくりした元気な苗を選べば、植え付け後の成長がスムーズです。
プランターでもOK!スティックセニョールの栽培ステップ
スティックセニョールは、畑がなくてもプランターで十分に育てられます。
ベランダやテラスの日当たりの良い場所で、気軽にチャレンジしてみましょう。
深さが30cm以上ある、大きめのプランターを用意するのがポイントです。
プランター栽培の簡単ステップ
- 土の準備
プランターの底に鉢底石を敷き、水はけを良くします。
その上に、市販の「野菜用培養土」をプランターの縁から2~3cm下まで入れます。 - 植え付け
苗の根鉢(ポットの土部分)と同じくらいの大きさの穴を掘ります。
ポットから苗をそっと取り出し、穴に植え付けます。
土を寄せ、軽く手で押さえて根と土を密着させたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水をあげましょう。 - 置き場所
日当たりと風通しの良い場所にプランターを置きます。 - 水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
特に夏場は乾燥しやすいので、朝夕の涼しい時間帯に水やりをすると良いでしょう。 - 支柱を立てる
植え付けた苗はまだ小さいので、風で倒れないように、横に短い支柱を立てて軽く支えてあげると安心です。
スティックセニョール栽培カレンダー(一般地向け)
| 時期 | 春まき | 夏まき |
|---|---|---|
| 種まき | 2月~3月 | 7月~8月 |
| 植え付け | 4月~5月 | 8月~9月 |
| 追肥 | 5月~ | 9月~ |
| 摘心 | 5月~6月 | 10月~11月 |
| 収穫 | 6月~7月 | 11月~翌2月 |
たくさん収穫するコツ!頂花蕾の摘心と追肥
スティックセニョールを1株からたくさん収穫するために、絶対に欠かせない「おまじない」があります。
それが「摘心(てきしん)」という作業です。
これは、一番最初にできる蕾を摘み取ることで、株に「脇からたくさん芽を出しなさい」と合図を送る、とても重要な工程なのです。

せっかくできた蕾を切っちゃうのかい!?
と驚くかもしれないが、これが後でたくさんの収穫につながる魔法なんだ!
勇気を出してやってみよう!
摘心って何?
スティックセニョールを植えると、まず株の真ん中に最初の蕾ができます。
これを「頂花蕾(ちょうからい)」と呼びます。
この頂花蕾が500円玉くらいの大きさ(直径2~3cm)になったら、思い切ってハサミで切り取ってしまうのです。
この頂花蕾を収穫することで、株はてっぺんに栄養を送るのをやめ、その代わりに脇から次々と新しい芽(側花蕾)を伸ばし始めます。
私たちが主に収穫して食べるのは、この脇から伸びてくる長い「側花蕾」なのです。
切り取る際は、蕾から5cmほど下の茎を、清潔なハサミで斜めにカットします。
切り口を斜めにすることで、雨水が溜まりにくくなり、病気を防ぐことができます。
追肥(ついひ)も忘れずに
摘心の後や、側花蕾を収穫し始めると、株は新しい芽を出すためにたくさんの栄養を必要とします。
人間でいう「ごはん」をあげるイメージですね。
摘心後から、2~3週間に1回のペースで、野菜用の肥料を追加してあげましょう(これを追肥と言います)。
収穫するたびに少し追肥をすると、次々と元気な側花蕾が育ってきます。
一株から何本収穫できますか?収穫時期と方法
一つの苗から、いったい何本くらい収穫できるの?
これは、一番気になるところですよね。
一般的な家庭菜園では、1株からだいたい10本~15本ほどのスティックセニョールが収穫できます。
これだけでも十分に楽しめますよね。
しかし、上手に育てれば、その可能性はもっと広がります。
経験豊富な農家さんの中には、丁寧な管理を続けることで、なんと1株から100本近くも収穫する達人もいるそうです。
夢が広がりますね!
収穫のタイミング
脇から伸びてきた側花蕾が、長さ15cm~20cmくらいになり、先端の蕾がキュッと固くしまっている状態がベストな収穫タイミングです。
蕾が緩んできたり、黄色い花が見え始めたりしたら、少し収穫が遅れたサイン。
茎が硬くなり、味が落ちてしまうので、そうなる前に収穫しましょう。
収穫の方法
清潔なハサミで、茎を長めに切り取ります。
このとき、株元に小さな葉を1~2枚残して切ると、その脇からまた新しい芽が出やすくなります。
収穫後には、感謝の気持ちを込めて、少し追肥をしてあげると株が喜びますよ。
収穫が遅れたら?黄色い花が咲いても食べられる?

もう食べられないのかしら…?

花が咲いても食べられるから安心してくれ!
ただ、最高の味を楽しむなら、やっぱり花が咲く前が一番だぞ。
家庭菜園あるあるですが、うっかり収穫タイミングを逃して、スティックセニョールに黄色い可愛い花が咲いてしまうことがあります。
「あー、もう食べられないのかな…」とがっかりする必要はありません。
結論から言うと、花が咲いてしまっても食べることはできます。
毒ではありませんので安心してください。
ただし、味や食感は、蕾の時とは少し変わってきます。
植物は花を咲かせ始めると、子孫を残すためにエネルギーを使い、茎が硬く、繊維質になる傾向があります(これを「トウが立つ」と言います)。
甘みが減ってしまったり、少し苦みを感じたりすることもあるでしょう。
花が咲いたスティックセニョールの活用法
シンプルに茹でて食べるのには向きませんが、細かく刻んでスープや炒め物に入れれば、食感の違いも気にならず、美味しくいただけます。
黄色い花びらは、サラダなどに散らすと彩りもきれいですよ。
とはいえ、最高の味と食感を楽しむなら、やはり花が咲く前の収穫が一番です。
収穫期になったら、毎日株の様子をチェックしてあげてくださいね。
寒い地域でも大丈夫?スティックセニョールの冬越し
スティックセニョールは比較的寒さに強い野菜ですが、厳しい冬を乗り越えるには少し工夫が必要です。
「冬越し(ふゆこし)」について、実は専門家の中でも少し意見が分かれます。
種苗会社の公式な見解
サカタのタネなどの種苗会社は、一度霜にあたって弱った株は、春になっても質の良い側花蕾が出にくいとして、秋の収穫が終わったら株を片付け、春にまた新しく種や苗から育てることを推奨しています。
品質を最優先するなら、この方法が確実です。
家庭菜園でのチャレンジ
一方で、多くの家庭菜園愛好家は、冬越しに成功しています。
特に、秋の植え付けが遅れてあまり収穫できなかった株は、そのまま残しておく価値があります。
冬の間は成長が止まったように見えますが、春になって気温が上がると(2月~3月頃)、再び勢いよく芽吹き、たくさんの蕾をつけることがあるのです。
寒い地域では、不織布をかけたり、プランターを軒下などの霜が直接当たらない場所に移動させたりといった対策をすると、成功率が上がります。
どちらを選ぶかはあなた次第。
確実性を取るなら毎年新しく、実験的な楽しみを求めるなら冬越しにチャレンジしてみるのも面白いでしょう。
【まとめ】スティックセニョールの食べ方をマスターして食卓を豊かに
スティックセニョールは、単なる流行りの野菜ではありません。
美味しくて、栄養満点で、驚くほど使い勝手の良い、キッチンの頼れる味方です。
アスパラガスのような甘い茎、ゴミが出ない手軽さ、そしてどんな料理にも合う万能さ。
忙しい平日の夕食から、ちょっと凝りたい休日の食卓まで、あらゆるシーンで大活躍してくれるはずです。
このガイドが、あなたがスティックセニョールの食べ方をマスターし、あなたとあなたの大切な家族の食卓を、より豊かで楽しいものにするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
この記事のまとめ
- スティックセニョールはブロッコリーとカイランを掛け合わせた野菜で、茎まで甘く美味しいのが特徴です。
- ブロッコリーとの違いは、皮をむかずに茎まで食べられる手軽さと、アスパラガスに似た食感にあります。
- ビタミンCやβ-カロテンなどが豊富で、その栄養価はブロッコリーとほぼ同等です。
- 美味しい茹で方のコツは、硬い茎の部分を先にお湯に入れ、時間差で蕾の部分を茹でることです。
- 炒め物、和え物、パスタ、スープなど、幅広いレシピでその美味しさを楽しむことができます。
- 家庭菜園での栽培も可能で、プランターでも育てられます。
- たくさん収穫するコツは、最初の蕾(頂花蕾)を500円玉大で摘み取る「摘心」を行うことです。
- 一株から通常10~15本収穫でき、上手に育てればさらに多く収穫することも可能です。
- 収穫が遅れて花が咲いても食べることはできますが、風味が落ちるため早めの収穫がおすすめです。
- 冬越しも可能で、春に再び収穫のチャンスがあります。
